網膜硝子体手術とは

網膜硝子体手術イメージ

糖尿病網膜症によって発生した新生血管が破れて生じる硝子体出血(出血によって無色透明な硝子体に濁りが発生し、網膜に光が通りにくくなり、飛蚊症や視力低下などの症状が現れる)や、硝子体が変性した際に網膜が強く引っ張られることで孔が開く網膜裂孔や、それに伴う網膜剥離などに対して行われるのが網膜硝子体手術です。

同手術は局所麻酔下で行われます。手術を行う際は、角膜(眼球)に3ヵ所ほど孔を開けます(孔の大きさは0.4-0.5㎜程度なので縫合は不要)。そこに照明、硝子体カッター(出血で濁った部分を取り除く)、カニューラ(硝子体の代わりとなる人工潅流液を注入)といった特殊な器具を挿入していきます。当院では27Gシステムという最も細い器具を使用し、目に対するダメージを最小限に抑えた手術を実施しております。

糖尿病網膜症の硝子体出血であれば、濁りのある部分だけ(硝子体カッターで)取り除きます。また増殖膜があれば切除し、必要であればレーザー光凝固術で新生血管を焼灼します。網膜裂孔や網膜剥離であれば、網膜を引っ張る硝子体を切離吸引しつつ、眼球の形が維持されるように人工潅流液を注入していきます。そして剥離した網膜が元の位置でくっつくように特殊なガスを注入していきます。

手術時間は、個人差ありますが60分程度です。なお網膜裂孔や網膜剥離の患者様では、注入したガスが体内で吸収される間(術後1週間ほど)は、うつむき姿勢をできるだけ保持するようにします。