クリニック理念
日本の医療システムは、誰もが自分の希望する病院に気軽にアクセスできるという素晴らしい側面を持つ一方、そこには様々な問題点や歪みが内包されています。
かつての私がそうであったように、大学病院をはじめとした基幹病院では、医師の過重労働が常態化しており、慢性的な疲労により体調もモチベーションも万全とは言えない状態で日々患者と向き合っています。患者側も診察を受けるまで半日近く待つのは当たり前で、場合によっては丸一日がかりとなる可能性があることを踏まえて受診する必要があるわけです。
これは医療従事者側、患者側、双方にとって不幸な事態と言わざるを得ません。
待ち時間問題は外来診察だけに留まらず、例えば基幹病院で硝子体注射を受けようとしても、なかなか即日実施というわけにはいかず、診断されてから数週間待ちとなることも珍しくありません。白内障手術でさえ数ヶ月、長ければ半年待ちということはよくある話です。待っている間にどんどん症状は進行していきますし、より高度な医療を受けるために大きな病院を選んだのに、なかなか順番が回ってこないせいで、逆に病状が悪化してしまうという事態が実際に起こっています。厚生労働省も大病院の受診抑制のため初診料の値上げなど様々な策を講じていますが、あまり効果が上がっていないのが実情です。
しかし実際のところ、薬剤の進歩や医療機器の小型化により、今まで大病院でしか実施できなかった医療がクリニックレベルでもかなりの部分を扱えるようになってきています。手術手技で言えば、硝子体注射、白内障手術の中でも高難度のもの、日帰り網膜硝子体手術などが良い例です。
当院は、従来のクリニックと基幹病院の中間の役割を担うことができるクリニックを目指して開設いたしました。
もちろん特殊な薬剤や治療が必要となる希少疾患、入院での治療や全身麻酔下での手術が求められる疾患など、基幹病院でしか行えない治療も存在します。そこに関してはしっかりと連携を取れる体制を整えていますのでご安心ください。
現在まで眼科医として、かなり厳しいキャリアを積んできたという自負がありますし、今回経営リスクを覚悟して大きな設備投資を実施し、現時点で私が最良と考える検査機器、手術機器を惜しみなく導入しました。
長年の想いが全て詰まったクリニックに仕上がっていますので、気になる症状がある方、現状に納得がいっていないという方はどうぞ気兼ねなくお立ち寄りください。